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不利運の節心得方の事

2014/12/18 20:23:13

テーマ:現代訳 宗久翁秘録

 

 

本日は、現代訳宗久翁秘録 第37節 「不利運の節心得方の事」 をご紹介致します。
 

1.原文

目次

不利運の時、売平均買平均決してせざる者なり。思入違の節は早速仕舞ひ、四五十日休むべし。十分仕当る商内にても、商仕舞候後は四五十日休み、米の通を考へ、三位の伝に引合せ、図に当る時を考へ、又仕掛くべし。何程利運を得ても、此休むことを忘るる時は、商内仕舞の時は、極めて損出ると心得べし。但商内仕舞休むと云うは、何心なく休むにあらず、其気の強弱を離れ、日々通ひ高下を油断なく考ふべきなり。又前年売方にて利運する時は、又又強気に張詰る者なれども、是亦前年の気をサッパリ離れ、其時其年の作の様子、物の多少、人気の次第を考ふること第一なり。

 

2.現代訳

見込み違いの時は、即座に手仕舞って、四、五十日は手を出さず、相場を休むが良い。見込み通りに十分利を取った相場でも、手仕舞った後は四、五十日は手を休めて米相場の動きを考えて、三位の伝に照らしてから、これに当てはまる時を考え、ここぞという時に又仕掛けるが良い。

どれほど利運に乗っても、この休むという事を忘れた時は、結局手仕舞う時になってみると、必ず損勘定になっているものと心得るが良い。但し、手仕舞いの後、休むというのは何のつもりもなく休むと言う事では無い。人気の強弱に囚われず、毎日の相場高下の動きを油断なく考えるべきである。また、前年に売りで利を得ていると、再び売り込もうと気持ちが張り詰めているものであるが、これまた前年のことはさっぱり忘れて、その時、その年の作柄、古米の多少、人気の動きを考える事が第一である。

 

3.私の解釈

この節でのポイントは、「不利運の時、売平均買平均決してせざる者なり。思入違の節は早速仕舞ひ、四五十日休むべし。」であると思います。現代訳には書かれていませんが、売平均買平均とは、難平売り買いの事です。見込み違いに気付いた場合、意地になって難平せずに、潔く損切りすべきであると説かれています。

 

見込み違いの見分け方については説かれていませんが、私の解釈としましては、以下内容が満たされた場合、それは見込み違いであると思います。

 

 ①自分が見ようとしている相場の波、期間を決定する事
 ②決定したその波の、平均値幅を算出する事
 ②建玉位置から、その平均値幅を大幅に超えて逆に動いた時

 

「大幅に」の所は、個個人の資金力、相場観により異なるとは思いますが、一回の損切りを、資金の4%以内に抑える様に設定すべきで、 そうすれば損切り後にもまだ十分な資金が手元に残り、次の相場に繋げられるものと考えます。

 

そして、次の相場を仕掛けるまで、十分に休み、その間相場を観察・分析、踏み出しを大切に仕掛けるべきと説かれているものと思います。休むも相場、相場に翻弄されずに心を保ち、勝ち残って行きたいものです。